
釜戸ご飯炊き職人
地元小田原にて、今流行りのファーマーズマーケットのようなイベントを、駅前の商店街で催しました。私のお店では、地元の米を中心に無農薬米や米粉の販売、新米両手つかみどりを行い、地元の新米釜戸炊きご飯を振舞いました。
私は、釜戸を使うのは初めてで、この日のために何回も釜戸を使ってご飯を炊く練習をしました。お釜に3kg(2升)のお米を計り入れ、洗米して、くるぶしのところまで水を入れ1時間浸します。お釜を釜戸にのせ、新聞と薪を釜戸の中にセットして火をつけます。初めは強火で、吹いてきたら弱火に、約8分で完全に火を消して蒸らし、10分で出来上がりです。強火弱火のコントロールは、ガスコンロだとひねるだけで簡単に調節出来ますが、薪の場合は違います。強火にするには薪の量を増やして風を送るので、強火にしたいと思っても、すぐに強火になるわけではありません。ですから、先を予想して早めに薪をくべます。強火の炎を見ていると、気持ちが高ぶってきます。

当日も含めて合計7回、釜戸のご飯を炊きました。(冷凍庫の中は冷凍ごはんでいっぱいです)。今では自在に火をコントロール出来るようになり、釜戸炊きに関しては自信がつきました。志村屋米穀店が、「釜戸ご飯炊き職人のいるお米屋さん」として皆さんに広く知っていただけたらうれしいですね。釜戸と薪があれば、こんなに簡単にご飯が炊けるんだなあと感動しました。万一災害があった時には、お米も井戸もあるので、地域の皆さんのために炊き出しを行いたいと思います。
練習の時は、「ご飯を食べに来てください」と近所の方にも声をかけ、私のお店の前の縁台で、釜戸炊きご飯を大勢で食べました。こんなふうにご飯を食べてくれる人が沢山いるなら、毎日でもこの釜戸炊きご飯を出してあげたいと感じました。昭和のような雰囲気で、こういうスローな生活もいいなあと思わせてくれた釜戸に感謝します。
次回の出動は11月14日(土)。小田原市緑一番街商店会で釜戸炊きご飯を振舞っております!
古代米のはなし
見てください、この写真・・・田んぼなんですよ! 稲でこんなことが出来るなんて、素晴らしいですね。最初に考えた人はすごい。1993年、青森県南津軽郡田舎館村で村起こしの一環として始められたとのことです。田んぼをキャンバスに見立て、現代の米と「古代米」と呼ばれる古代に栽培されていた色の異なる米を使って、このような巨大な絵を作るのだそうです。一度、私の田んぼでもやってみたいなと思っています。

私は米屋に生まれ育ち、毎日米に囲まれて生活をしておりましたので、お米のことならある程度知っていると自負していました。が、恥ずかしながら黒や赤や緑のお米があるということを知ったのは、ほんの数年前です。様々な色をしている古代米ですが、黒、赤、緑のお米も、精米すればどれも白いお米になります。色が付いているのはお米(玄米)の外側(糠)だけで、中の部分には色は付いていません。この糠に、黒米には目に良いとされるアントシアニン、赤米にはカテコールタンニン、緑米には、緑黄色野菜に含有されているクロロフィルが豊富に含まれているのです。
中国では、黒米は滋養強壮に優れ造血作用があると言われ、薬膳料理にも古くから使われており、薬米、不老長寿の米として、中国歴代の皇帝に献上されていたそうです。黒米を食べ続けると、髪が黒くなり若返ると言われています。また、おはぎの起源で、古くからお祝いの米として珍重されてきたという説もあります。赤米は私達が普段食べている米のルーツであり、赤飯の起源と考えられています。縄文時代に日本へ初めて伝わった米はこの赤米で、邪馬台国や大和朝廷への献上米も赤米が主だったと言われています。緑米はパサッとした歯触りで、色合いが実に鮮やかです。赤米や黒米と同様に、縄文時代に中国から伝わったとされ、貧血予防に効果を発揮するそうですよ。
モチモチした食感のお米
暑くなってくると、お米が硬く粘りがなくなってきます。夏はあまりベタベタ粘らない、さっぱりした食感のお米がいいという方には関係のない話しですが、やわらかくて粘りが欲しいという方にオススメのもちもちした食感のお米があるのです。
このお米は、低アミロース米と言います。有名なミルキークイーンや夢ごこち、他にも、彩(あや)、スノーパール、たきたて、ねばり勝ち、ミルキープリンセス、夢ごこち、イクヒカリ(育光)、ゆきむすび、ソフト158、はなぶさ、まどか180、柔小町、あやひめ、いわた15号、ミルキーパール、ねばりごし、シルキーパール、朝つゆ、秋雲、夏雲、中国173号などがあるそうです。ずいぶん種類がありますよね。通常のお米に比べ、アミロースが少なく光沢に優れ、強い粘りと柔らかさがあり、冷えても硬くなりにくいという特徴を持っています。

特にミルキークイーンは、よく売れているそうなので、食べている方も多いと思います。でも、まだ食べたことがない方もいらっしゃると思いますので、説明させていただきます。このお米を100%で食べる場合は、通常のお米を炊く場合と比べて1~2割水加減を少なめに炊いてください。通常の水加減で炊くと、柔らかくなりすぎてしまいます。また、普通の白米に数割混ぜて炊くと、ほどよい食感になると思います。さらに、玄米も柔らかいので、おいしく食べることができます。食欲が落ちるこの季節、このようなお米を利用するなど工夫して乗り切りましょう!



