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◎「米菓の“音” その6」
「煎餅・音聞き選手権」世界チャンピオンのせん兵衛じゃ。ご機嫌よろし
ゅう。
米菓の音が人体、とりわけ脳にどのように認識されるか、よくご理解さ
れたものと存ずる。「直接脳味噌に響く」というところがミソじゃぞ。
しかして米菓を食う音は、我が日本人の原風景のひとつになった訳じゃ。
だから、忘れようとして忘れられぬ音なのじゃ。他の食い物では、なか
なかこんな事はないぞ。米菓ならではじゃ。
そこでわしは米菓のことを「直接聴覚刺激食品」と位置づけておる。こ
んな名前、聞いたこともなかろう?
これで、米菓の音が絶対忘れられなく、身体に染みついたものである理
由が分かったであろう。
最近のことじゃが、越後の国のある米菓屋が「あらびき煎餅」というも
のを作って来た。その袋には「噛むたびに心地よく響く食感」と書かれて
あった。わしのパクリじゃ! 逮捕せよ! 捉まえて、打ち首じゃ。
じゃが、岩、なんとか、製菓と言うたな。日本語の表現としてはさして
上手ではないが、なかなか本質を捉えておる。結構うまかったぞ。礼を言
うておく。
では、さらばじゃ。
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