「かわうそまつり」
せん兵衛でござる。本日は、仙人としての禊ぎを終えたる後赴いた山口県の酒蔵・旭酒造の話といたす。
旭酒造は、現在では岩国市じゃが、ずっと山奥の獺越(おそごえ)と言うところにある。地名の由来は「川上村に古い獺(かわうそ)がいて、子供を化かして当村まで追越してきた」ので獺越と称するようになったといわれておる。
この地名から一字をとって銘柄を「獺祭」(だっさい)と命名したのじゃな。これは夏の俳句の季語ともなっておるが、言葉の意味は、獺が捕らえた魚を岸に並べてまるで祭りをすると言う。

本物の酒造りを目指した若き桜井社長が最初に売り先と定めた所は東京じゃった。福岡や大阪のほうが地の利はあるが価格ばかり言われて良い酒は出来ない。そこでいきなり大市場東京に乗り込むにあたり、命名したブランドが「獺祭」なのじゃ。
大阪や名古屋をバカにするわけではないが、やはりお江戸なのじゃな。そして、この読みづらいが一端覚えると忘れない名前「獺祭」もネーミングの巧みさ、マーケティングの成功例なのじゃな。
酒のほうはと言うと、とにかく美味い。「二割三分」などという原料米を磨ききった大吟醸は芸術のたぐいじゃ。もっとも精米分率50%という品もある。いずれも美味い。
東京の蕎麦屋などで「獺祭」をおいている店は、大概蕎麦や料理もうまい。
「酒造りは夢創り」のキャッチフレーズに背かない。「米菓」もそうあるべきじゃな。
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じゃから、そのぶん「安い酒は絶対造らぬ」(伊澤治平社長)と言う。精米分率50%の純米吟醸酒以上しか作っておらぬ。「醸造用アルコール」などという添加物ももちろん一切使うておらん。







